インベストメントクローズとは?長く着る服がサスティナブルになる理由|仕立てという選択
- 5月3日
- 読了時間: 3分
「インベストメントクローズ」という言葉をご存知でしょうか。
これは、長く着ることを前提に作られた、高品質で価値のある衣服のことを指します。
長く着る服。
実はこの考え方こそが、いま言われている「サスティナブル」の本質なのではないかと感じています。
インベストメントクローズとは?
インベストメントクローズとは、
・購入価格に見合う価値がある
・品質が高く、耐久性に優れている
・長く着用できる
・着る人の満足感や誇りを満たす
といった要素を持つ衣服のことです。
「インベストメント=投資」という言葉の通り、
一時的な消費ではなく、時間をかけて価値を回収していく服、
長く着る服とも言えます。
サスティナブルとの違和感
ファッション業界では、サスティナブルやSDGsという言葉が広く使われています。
再生素材、リサイクル、環境配慮。
どれも大切な取り組みです。
ただ一方で、
「そもそも長く着られない服が前提になっているのでは?」
という違和感を感じることがあります。
本当のサスティナブルは“長く着ること”
昔の服は、長く着ることを前提に作られていました。
・お直しができるように縫い代が取られている
・サイズ調整が可能
・生地自体が丈夫である
つまり、
「使い続けること」が前提の設計だったのです。
実例:50年前のブレザーが蘇る
先日、印象的な出来事がありました。
50年前のカシミアのブレザーをほどき、ご自身のショートコートに
仕立て直すレッスンに来られた方がいらっしゃいました。
そのブレザーには、精巧なテーラリングで仕立てられた見事なもので
しっかりと縫い代が取られており、状態も非常に良好でした。
そしてその服は、新しい一着として見事によみがえりました。
これはまさに、インベストメントクローズの象徴的な例です。
スローファッションのその先へ
食の世界に「スローフード」があるように、ファッションにも「スローファッション」という考え方があります。
しかしインベストメントクローズは、
“ゆっくり”ではなく、“長く価値を持ち続ける”ことに焦点があります。

仕立て服が持つ価値
私が仕立てる服も、決して安価ではありません。
けれど大切にしているのは、
・長く着られること
・お直しができること
・着る人を美しく見せること
・着方に変化がつけられること
つまり、
時間とともに価値が育つ服であることです。
30年前のドレスが語ること
以前、30年前に仕立てたドレスをお持ちいただいたことがありました。
たとう紙に包まれ、袖には紙、内側にはタオルが詰められていました。
その扱い方から、どれほど大切にされていたのかが伝わってきました。
大切にされたドレスは、服を超えて記憶を呼び戻すものとなっていました。
服は単なる消耗品ではなく、記憶や時間を宿すものでもあります。
まとめ:これからの服の選び方
これからの時代、本当に必要なのは
・たくさん買うことではなく・長く付き合える一着を選ぶこと
なのかもしれません。
インベストメントクローズは、そのひとつの答えです。
仕立てとは、美しさに近づくための選択の連続。
そして同時に、時間を大切に扱う行為でもあります。
この考え方が、少しずつ広がっていくことを願って。
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