

ロココ後期の衣裳 優雅さの中に生まれた、新しい美しさ
今回、ブライスビューティーコンテストへの参加を決めて chi_cu_rin 先生とのユニットで参加させていただいています。 メアリーの物語の中で、彼女が纏う一着のドレス。そのデザインを考えるために、私たちはあらためて18世紀の衣裳について調べました。今回の衣裳の背景にあるのは、18世紀後半、ロココ後期の女性服です。「ロココ」と聞くと、華やかな宮廷、たっぷりと広がったスカート、 リボンやレースに彩られた豪華なドレスを思い浮かべる方も多いかもしれません。けれども18世紀の衣裳を見ていくと、その美しさは時代とともに少しずつ姿を変えていきます。 ロココの華やかさから、軽やかな美しさへ 18世紀前半から中頃にかけてのフランスでは、宮廷文化を背景に、 優美で装飾的なロココ様式が花開きました。 淡く繊細な色彩。 シルクの光沢。 レース、リボン、フリル、花飾り。 そして、パニエによって大きく左右へ広げられたスカート。 女性の身体そのものを飾るというよりも、 衣裳全体でひとつの美しい造形をつくり上げるようなスタイルです。 ところが18世紀後半になると、そ


服を送るということ
お仕立て上がったお洋服をお送りするとき、 どんな箱に入れようか。 どんな包装にしようか。 そんなことを、ずっと考えてきました。 以前はドレスケースに入れていたこともありますし、きれいな紙箱を選んでいた時期もありました。 けれど、考え続けた先で、今はシーチングで作った布袋に落ち着いています。 お洋服をお包みし、黒い組紐を結び、ご希望の方にはラベンダーのサシェを添える。 とてもシンプルな包みです。 けれど私は、包装は開けたら終わりのものではなく、その後も暮らしの中で使えるものであってほしいと思っています。 クローゼットで大切な服を休ませる袋として。 旅先へ持っていく荷物入れとして。 あるいは、季節のストールをしまう袋として。 役目を終えたら捨てられてしまうものよりも、少し長く寄り添えるものの方が好きなのです。 この袋には、20年以上前に作った小さなネームを付けることがあります。 カンボジアシルクの仕事をしていた頃のものです。 当時は、その美しさを伝えたくて夢中でした。 ...


異国へ ─ 生地を探す旅
旅先で市場を見つけると、つい足が向いてしまいます。 観光地よりも先に、布屋さんを探していることも少なくありません。 マレーシアのインド人街で見つけた色鮮やかなサリーの生地。 店いっぱいに並んだ布は、まるで花畑のようでした。 日本ではなかなか見かけない色合わせ。 思い切った柄。 光を受けて揺れる刺繍。 文化が違えば、美しいと感じるものも少しずつ違います。 けれど、その違いに触れるたびに思うのです。 美しさには、国境がないのだと。 パリの生地屋さんでも同じことを感じました。 静かに積み上げられたプロバンス更紗。 繊細なレース。 古い木の棚。 何十年も変わらずそこにある空気。 生地を見ているだけなのに、その国の歴史や暮らしが見えてくるようでした。 旅先で買った布のすべてが作品になるわけではありません。 けれど、その土地で見た景色や空気は、必ずどこかで私の仕事につながっています。 服になったり。刺繍になったり。色合わせになったり。 あるいは、まだ形になっていないアイデアの種になったり。 だから私は、旅先で布を探します。...