異国へ ─ 生地を探す旅
- 1 時間前
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旅先で市場を見つけると、つい足が向いてしまいます。
観光地よりも先に、布屋さんを探していることも少なくありません。
マレーシアのインド人街で見つけた色鮮やかなサリーの生地。
店いっぱいに並んだ布は、まるで花畑のようでした。
日本ではなかなか見かけない色合わせ。
思い切った柄。
光を受けて揺れる刺繍。
文化が違えば、美しいと感じるものも少しずつ違います。
けれど、その違いに触れるたびに思うのです。
美しさには、国境がないのだと。
パリの生地屋さんでも同じことを感じました。
静かに積み上げられたプロバンス更紗。
繊細なレース。
古い木の棚。
何十年も変わらずそこにある空気。
生地を見ているだけなのに、その国の歴史や暮らしが見えてくるようでした。
旅先で買った布のすべてが作品になるわけではありません。
けれど、その土地で見た景色や空気は、必ずどこかで私の仕事につながっています。
服になったり。刺繍になったり。色合わせになったり。
あるいは、まだ形になっていないアイデアの種になったり。
だから私は、旅先で布を探します。
生地を買うためというより、美しさを探すために。異国で出会った小さな景色たちが、いつかアトリエの中で新しい形になることを願いながら。



















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